【校長ブログ】大阪大学主催 「ことばと出会うシンポジウム」


10月19日(日)に、箕面市立文化芸能劇場大ホールで開催された、大阪大学外国語学部・外国学専攻主催の、第3回 ことばと出会うシンポジウム「あなたを彩ることばはいくつ?」に参加しました。これは、通訳等の関係で今年度からお世話になっている、大阪大学の複言語・複文化共存社会研究センター(阪大ふくふくセンター)からご案内いただいたものです。登壇者は、FM COCOLO等でDJをされている野村雅夫さん(お母様がイタリアの方)、ロックバンドFUNKISTのボーカル、染谷西郷さん(お母様が南アフリカの方)、そして今や俳優、映画監督、コメンテーター等マルチに活躍され、人権活動家でもあるイラン出身のサヘル・ローズさんのお三方でした。
心に残るお話が満載でそれをすべて書くのは難しいので、その中で特に印象的だったメッセージだけを下記しますと・・・
・ことばは道具ではあるが、単にそれに留まらず、文化や歴史、経験を内包した価値そのものでもある。(野村さん)
・生き方や価値観を押し広げることも、ことばによって可能となる。(野村さん)
(野村さんの、その後のトークセッションでのファシリテーターとしてのパフォーマンスが素晴らしく、勉強になりました。)
・自分は音楽ということばを使って、伝えたいことを人に伝えている。(染谷さん)
・当時アパルトヘイトの南アフリカは、外国人とのハーフの存在が許されない国だったが、そんな状況下で誇りを持って育ててくれた父母や祖父母は感謝でいっぱい。(染谷さん)
(染谷さんは、1,000人を超える聴衆ー若者よりはどちらかというと年配者が多いーをあっという間に一つにしてしまう楽曲を披露してくれました。凄いです。)
そして以下はサヘル・ローズさんのコメントです。
・本名も誕生日も知らない中で、養子縁組した10月21日を誕生日とした。
・他人を知らない⇒差別・hate⇒争い、という構図は、言葉による交流で回避できる。
・我々は、「会話」はしているが本当の意味での「対話」をしてるかどうか?対話は時に意見の違いを生む、したがってそれを避けてしまうことがあるが、対話をしないと相手のことが理解できず、レッテルを貼ってしまうことがある。違和感を感じることや矛盾に気付くことは大切だ。
・自分は役者を始めた当初、役どころといえば、死体役かテロリスト役だった。イランという国に対する先入観だろう。これをなくすための電波塔に自分はなりたい。
・知らないことは恥ずかしくない。知らないことを知ろうとしないことが恥ずかしい。失敗することも財産。他人と違うことも財産。過去の自分や他人との比較はやめましょう。

お三方ともご自身の様々な歴史を抱えながら、他人とことばでコミュニケーションすることをとても大切にされておられ、メッセージ一つひとつの本質が大いに学ぶべき点でした。今後の人生を歩むにあたって、更なる糧にしていきたいと思います。

追)シンポジウムの後で、箕面船場阪大駅に立ち寄り、1年生の美術作品を鑑賞しました。駅のコンコースで大いに存在感を示していて、とても嬉しくなりました。