先週から今週にかけて、社会科の草野先生の依頼を受け、先生が受け持つ2年1~5組の地理総合の授業にゲスト参加しました。今回の授業のテーマが「国際分業と産業構造の変化」「多様化する世界」等でしたので、私の前職の経験から何かを語らせることで、実体験、実ビジネスに基づく話を生徒たちに聞かせることができるだろうとの判断が草野先生にあったのでしょうね。実際に先生から頂戴した課題は、「商社とは?」「日中貿易の変遷」「半導体産業と日本の強み」と言ったところで、これらの点に触れながら、世界の産業構造の変化に触れるべく、必要な準備をしました。
前職の住友商事の業容の変遷は、まさに日本の産業構造の変化と轍を一にしています。また、私が担当してきた中国ビジネスの内容(商品や取引態様)の変化は、日本と中国の貿易関係の変化の縮図となっており、具体例を示す中で、生徒達に肌感覚を共有しました。更に、半導体産業については、日本の半導体産業の歴史とその背景に触れ、半導体製造用の原材料や製造機械に強みを持つ日本が、今度は官民挙げて半導体製造そのものの競争力強化をめざして着手していることを説明しました。
地理総合という教科として、上述の点に触れた授業となりましたが、地理だけではなく、おのずと歴史や公共に関わる話にも触れることになります。生徒のみんなには、複数の科目等が不可分に絡み合っていること、従いその繋がりも意識して取り組むことで社会の事象が全体感をもって把握できること、そのためにも日本や世界の動きに、自分事として敏感になることは大切である、等といったところを最後に強調しました。今回の私のゲスト授業が、少しでも生徒達の新たなものの見方や考え方に繋がればと思っています。
また、今回授業の一端を受け持ってみて、先生方の授業に対するエネルギーは並大抵のものではないことをあらためて実感すると同時に、先生方へのリスペクトが深まったことも、私自身の収穫でした。この機会をくださった草野先生に感謝です。
