【校長ブログ】週末に2つのセミナーに参加しました。


この週末(12月7‐8日)は、大阪市内で行われた2つのセミナーに参加しました。
一つめは、7日の土曜日に開催された、株式会社アイエスエイ(ISA)主催のグローバルマネジメントセミナーで、東京都立立川国際中等教育学校の長田副校長が基調講演をされました。同校は、5月に訪問した都立国際高校とならび、東京都に2校ある都立の国際高校の1校です。教育の世界標準とは何か?日本型の平等主義の本質とその課題は?等の問題提起をされ、解決策として、個性や才能を尊重した教育や、グローバルな進路選択の拡大などが挙げられていました。海外大学への進学という点では、まだ端緒についたところであり、当校に一日の長があるかもしれませんが、英語教育に関わる充実度は質量ともに群を抜いており、高校2年生で英検2級以上を取得している生徒が88%に上ることからも、学ぶべき点は多いと感じました。カンボジアでのボランティア活動も続けている等、当校との共通点も見出せました。来年5月の全国校長会の時には学校訪問させていただくことをお願いしました。

二つめは昨日開催された、母校と東京科学大学(今年10月1日に東京工業大学と東京医科歯科大学が統合して発足)の合同移動講座です。社会科学分野の人材輩出や研究が主体である一橋大学と、自然科学のそれであった東京工業大学とは、相互補完と相乗効果も狙って、従来から様々な交流を行っており、昨日の講座は、一橋目線で言えば、パートナーが東京科学大学となって初めての合同移動講座となります。(通算では今回が第15回)
まずは、私の大先輩となる、昭和42年卒業の松本正義先輩がご登壇。松本氏は現在関西経済連合会(関経連)の会長、かつ住友電工の取締役会長なので、お立場上からも関西万博のお話があり、加えて経営者としての様々な思いやアドバイスを聞くことができました。特に印象に残ったキーワードは、チャレンジ精神に繋がるファーストペンギンの心意気の重要性、萬事入精(ばんじにっせい:商売に限らず、まず人間として常に全てに誠心誠意尽くすことこそ大切)、ノブレス・オブリージュ、教養の大切さ等々、一つひとつ腹に落ちました。次いで登壇された、東京科学大学の坂口副学長からは、5Gの生みの親としてのお話から始まり、超スマート社会推進コンソーシアムのリーダー的存在としてのお立場から、交通事故ゼロをめざすスマートモビリティ、山間地域におけるスマート農業や海洋大国復活に向けたスマートオーシャンなどのお話があり、たいへん興味深く聞かせていただきました。更に来年創立150周年を迎える母校一橋大学からは中野学長が登壇され、精神や原理ではなく具体的事案をベースに行動し解決策に導くという実学を主とするのが一橋らしさであることや、昨年新設された新しい学部であるソーシャルデータサイエンス学部の特色や狙いについてのお話があり、最後に東京科学大学の大竹理事長から、善き生活、社会、地球を作り上げる大学としての東京科学大学のミッションや、教養教育・国際化・多様性に富んだ教育が未来への扉を開くというお話をいただきました。大竹理事長の言われたこれら3つのキーワードは、僭越ながら正に箕面高校とも合致するところであり、意を強くした次第です。大竹理事長とお話する中で、理事長が私の高校(神奈川県立横須賀高校)の2期後輩ということが判明し、ご縁に感謝した次第でもあります。

偶々セミナーが2日続いた週末となりましたが、それぞれに得るものは大きかったと感じました。今日からの箕面高校の運営、生徒たちへの教育に少しでも役に立てばと思っています。