【校長ブログ】令和6年度 第3学期 始業式式辞


新年おめでとうございます。今年も校長ブログを続けますのでどうぞよろしくお願いします。今日は始業式で私が生徒たちにお話しした内容を共有させていただきます。
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皆さん おはようございます。そして新年おめでとうございます。今日はインフルエンザが流行し、来週末に3年生が共通テストを控えている中、大勢で一堂に会することは控えたいとの考えから、放送での始業式となりましたので、皆さんの顔を見ること叶いませんが、きっと元気に新年を迎えてくれたものと信じています。
では昨年に続き干支の話から。令和7年の干支は巳(へび年)ですが、本来の正式な干支は十干と十二支を組み合わせた60種類あり、今年の正式な干支は十干の「乙(きのと)」(甲乙の乙)と十二支の「巳」が組み合わさった「乙巳(きのとみ)」です。
十干十二支の説明は省きますが、この「乙巳(きのとみ)」の持つ意味をお話します。まず「きのと」ですが、これは困難があっても紆余曲折しながら進むことや、しなやかに伸びる草木を表しています。また「み」ですが、これは蛇のイメージから「再生と変化、そして成長」を意味します。脱皮しながら強く成長するのが蛇ですよね。皆さんは蛇というと必ずしもポジティブなイメージを持てないかもしれませんが、本来はこの成長の意味や、動きからくる柔軟性を持った対応、更には縁起物で金運が上がることから商売、商業の神様でもあります。余談ですが、私の母校の大学は元々高等商業学校でしたので、今でも校章に蛇が2匹絡みついています。
これらが合わさった「きのとみ」は、成長が実を結ぶ年であるとともに、着実に粘り強く事にあたっていくことで、望む結果に結びつく年でもあります。チャレンジをキーワードに持つ箕面高校生の力が如何なく発揮できる年になるでしょう。まだまだ若いつもりのこの校長ですので、一緒に着実に成長していきましょう。 

 さて、まずは3年生へのメッセージですが、1,2年生もよく聞いておいてください。 

3年生は進路に向けた仕上げの年になりました。入試を直前に控えて何かと気ぜわしいでしょうが、規則正しい生活を送るためにも、入学試験等がない限り、従来通り、遅刻などせずに登校を続けてくれたら嬉しいです。昨年も3年生にしたお話ですが、今年もお話しします。今の共通テスト(当時の共通一次試験)が今一つだった予備校生の私は、とにかく諦めずに二次試験で頑張ろうと思い、規則正しい生活を変えぬため、従来通り朝起きて予備校に通い、しっかり授業を受けていました。ある日、日本史の記述対策の授業に出席したところ、出席者は数名でしたが、そこでやった演習問題とそっくりの問題が二次試験に出まして、思わず心の中でガッツポーズをしたのを覚えています。もしあの時、予備校に行かずにのんびり寝ていたら、その後の人生は変わっていたでしょうから、きっと今私はここにいないでしょうね。生活のリズムを崩さず、最後まで諦めずに頑張れば、きっといいことがありますよ。 

また、進路が定まっている3年生、終業式でも触れましたが、4月以降を見据えたここから3月末までの努力が、4年制大学であれば4年後の諸君の姿を左右するといっても過言ではありません。企業で大学生の採用に携わっていた人間として、そのことは経験則からも良く分かります。脅かすつもりはありませんが、これから入試に向かう同級生と同じ温度で高校での学習のおさらいや4月以降の次のステップに向けた学習に勤しんでください。 

そしていずれの3年生も、4月からの、更にはその先の自らのイメージを常に思い描きながら目の前のことに対処していってください。そうすることで、少し長く広い目で現在を捉えることができ、見えていなかったものが見えてきたりします。ふっと一息ついたときに、このことを思い出してみてください。 

2年生は、いよいよ春になったら最終学年です。自分で計画した、2年生の課題は完了したでしょうか?学習、部活、校外活動、人間としての成長といった点です。3学期は是非それらの点の確認作業を行い、残っている課題は克服し、あるいは克服への道をしっかりと確認したうえで、PDCAのまずはP、Planを描き、最終学年に進んでくれることを願っています。 

 1年生は、春になれば後輩たちが入ってきますね。今、その未来の後輩たちは真剣に勉強に取り組んでいます。昨年の今頃の君たちがそうでしたね。そこから1年近く、初心忘れず、あの頃より成長している自分を感じていますか?学習面だけではありません。人間としてです。1年前よりも、大人度は高くなっているでしょうか?自分自身の課題を感じた点がある人は、2年生同様に春までに片付けておきましょう。 

2年生、1年生は、自由には責任が伴うこと、自由と責任は車の両輪であることの意識と行動を徹底してください。 

令和7年、2025年は世界ではどんなことが起きるのでしょうか?国際情勢では、ロシアのウクライナ侵攻は1000日以上が経過してもなお停戦への糸口が見いだせず、中東情勢においてはイスラエルとハマス、ヒズボラ、イラン等との対立が激化、シリア情勢とも絡み、顕在化する地政学リスクは着地点が見づらい状況が続いています。台湾修学旅行を予定している1年生は、台湾を取り巻くアメリカと中国の動きにも要注意です。そのアメリカではトランプ大統領が再登板、このことが世界や我が国にどのような経済的政治的影響を与えるのかも注視しておく必要があります。日本や欧米の民主主義国家と、中国・ロシアといった権威主義国家の間を生きる、インド等を中心としたグローバルサウスと言われる国々の動きにも注目しておいてください。そういった中で日本という国が、政治や経済、外交、国民生活、そして人の心の面で、今どういう状況にあり、今後どうしていくべきなのかも、毎日一度、短時間で良いのでニュースやネット記事を目にした際に、自分なりに考えてみてください。私個人としては、こういう時代だからこそ、その気になれば日本の存在意義を発揮できるものと思っています。
またこれら世界情勢が直接的に絡む、日本を取り巻く世界経済の動向についても気にしておく必要があります。円高円安、金利が上がる下がるといったことは、直接皆さんの生活にも関係してきます。その仕組みを知ることは極めて大切です。 

要は、世界や日本の動き一つひとつが我々と無関係ではなく、高校生ともなれば、しっかりと意識しておく必要があるということです。わからないことあれば私のところにも是非聞きに来てください。皆さんの成長と飛躍を感じられる年にしたいと思います。先ほど言ったように私も一緒に成長させてください。共に頑張りましょう。これで私の挨拶を終わります。
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