文部科学省より依頼のあった「令和3年度大学入学共通テストの受験日に関する意向調査」が完了しました。新型コロナウイルス感染症の影響に伴う学業の遅れを理由とした日程の複数化の趣旨はよく理解できます。また、学業の遅れに不安を持つ生徒に対応するための制度は必要です。一方で、次のデメリットもあることも知っておいて欲しいと思います。
共通テスト終了後、受験生は自己採点のデータを予備校等に提出し、その分析結果(合格可能性判定資料)を踏まえ、出願先の最終決定を行います。ところが、今年度、2週間遅れで実施される第2日程で共通テストを受験した場合、自己採点結果を踏まえた出願先の決定が困難になることが予想されています。それは、全国の受験生が利用する複数の受験産業のいわゆるセンターリサーチ(合否判定システム)が、現時点では第1日程を基に実施する、とされているからです。また、この2週間の遅れが、大学の個別試験の準備期間を短くすることや、私立大学の入試日程との兼ね合いの事も考えなければなりません。国立大学の出願は、第1日程・第2日程受験者 2021年1月25日~2月5日です(特例追試験受験者 2021年2月15日~2月18日)。
以上のことから、箕面高校では、最終判断は生徒に委ねられることになりますが、前述のリスクを踏まえると、共通テストの受験日程は当初の予定通りの第1日程(1月16日・17日)を推奨したいと考えます。
国立大学の2021年度入学者選抜についての実施要領
(https://www.janu.jp/univ/exam/files/2021_200713.pdf)
国立大学の入試(試験の日程、各国立大学の入試情報等)
(https://www.janu.jp/univ/exam/)
シリーズ第1回(1)で紹介した「令和3年度大学入学者選抜実施要項について(通知)」では、
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/senbatsu/mxt_kouhou02-20200619_1.pdf
「各大学は、大学入学共通テストの科目指定に関し、第7の3に示す2年程度前の予告・公表の例外として、各大学のアドミッション・ポリシーを踏まえ、例えば、高等学校第3学年でも履修することの多い地理歴史、公民、理科の2科目指定を1科目に減じることや、指定科目以外の科目への変更を認めるなどの配慮を行うよう努めるものとする。
また、各大学の個別学力検査の出題範囲等に関し、高等学校第3学年でも履修することの多い科目(数学Ⅲ、物理、化学、生物、地学、世界史B、日本史B、地理B、倫理、政治・経済など)の個別学力検査において、入学志願者が解答する問題を選択できる出題方法とするなどの配慮を行うことや、教科書において「発展的な学習内容」として記載されている内容から出題しない、あるいは出題する場合においても、設問中に補足事項等を記載するなど、特定の入学志願者が不利にならない設問とすることなどの工夫を行うものとする。
各大学が、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う学業の遅れに配慮する観点から行う上記の内容は、第7の1に示す入学者選抜に関する基本的事項を公表する期日である7月31日までに決定し、公表するものとし、文部科学省は、各大学の講じた措置を同省のホームページにおいて周知する。」
とされています。
文部科学省HP「令和3年度からの大学入試」(https://www.mext.go.jp/nyushi/index.htm)の内容を注目してください!
昨年度入試では、入試制度変更に伴う「安全志向」が強く、今年度、浪人生が例年に比べて減っています。今年度の現役生にとっては有利な条件が揃っています。
箕面高校生には、進路実現の志を高く持って「Challenge!!」して欲しいと思います。
