【校長ブログ】第59回 卒業証書授与式


3月1日に当校の第59回卒業証書授与式(卒業式)を行いました。前日までの雨も上がり、澄み切った青空、とまではいきませんでしたが、爽やかな早春の空気の中で、保護者の皆様を始めとする、卒業生を支えてくださった多くの方々のご参加を得て、厳粛に挙行することができました。
私の大きな役割は、卒業証書をクラス代表に文字通り授与することと、式辞を述べること。各クラスの担任の先生が一人ひとりの名前を呼ぶときは壇上から彼らの顔が見えるように眼鏡をしていましたが、実際に渡す時や式辞を読むときは、卒業生みんなの顔が良く見えてしまうと、涙がこぼれてしまうことを恐れたので、眼鏡を敢えて外していました。その小技のお陰か、何とか堪えました。
卒業生の皆さんは、本当に清々しいお顔をしていましたね。正に何かをやり遂げたという感じ。これからも様々な状況が待ち受けているでしょうが、箕面高校での3年間を糧に、これからの人生を歩んでいってほしいと願っています。
少し長くなりますが、式辞の後半部分を下記します。
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校長からの最後のメッセージとしていくつかお話しさせてください。今までにお話ししてきたことと重複する点もあり、校長先生、またか、と思うこともあるかもしれませんが、最後だと思って聞いてください。
まずは、今後皆さんは人生の中で様々な局面に出会うでしょうが、どんな時も、誠心誠意、前向きにプラス思考で事に当たることを心がけてください。心を込めて熱心に物事に取り組む姿を他人は必ず見ています。そして、これはパナソニック創業者で経営の神様と言われた松下幸之助氏が仰っていたことですが、誠心誠意向き合うことで、そこから日に新たな、より優れた取り組み方が創意工夫され、成果も充実したものになるということです。この考え方は、皆さんによく言っていた方程式、即ち物事の結果イコール能力 X 熱意 X 心の在り様、心の持ち方にも繋がりますね。是非前向きに、プラス思考で楽しんで物事に対処することで、結果を無限大に広げてください。皆さんの可能性は無限です。
次に、皆さんが在学中いつも聞いていた、グローバルということばの意味についてです。皆さん自身や我が国を取り巻く国際環境が、複雑化多様化する中で、いわゆるグローバルな人間として生きていくために身につけねばならぬ素養、語学や教養など、がいくつもあります。特に皆さんには、今とこれからの世界の様々な情勢や、その中での日本という国の姿、あり方について、常に真剣に向き合い、考えていただきたいと思いますが、ではそれらが備わっていればグローバル化が進む世界の中で生きていけるでしょうか?答えはノーです。先ほどの素養や知識、考えることというのはあくまでも必要条件です。これに、グローバルマインドという心の部分とそれに裏打ちされた行動力が加わって初めて真のグローバルな人間が形成されるのです。その心の部分とは、特段難しいものではありません。皆さんが持っている思いやりの心、ほかの人のために行動する、他人を利する利他の心、自分とは異なる人への尊厳をベースに、多様性を認める心、今の場所から一歩外に踏み出す勇気やチャレンジする気持ち、こういった点は既に箕面高校でしっかりと身に付けてくれたと思いますが、卒業するこの機会に思いを新たにし、文字通りグローバルの旅に出発してくれたら嬉しいです。
最後に、常に物事の本質を見極め、掴み、それを意識して決断し行動してください。感性は大事ですが、それだけで動かないこと。物事には生い立ちがあり、今存在する訳がある、そしてそのことに対して自分は今後こうしたい、こう在りたいから、今こういう行動をとる、といった具合に自分の行動の軸を定める癖をつけてください。少し抽象的な表現になってしまいましたが、今後の人生で皆さんが決断を下さねばならぬ様々な局面、進学はもとより、就職や転職、結婚といった人生のイベントで、この話を思い出してくれたら嬉しいです。
皆さん、箕面高校で出会った友人や先生方との絆を末永く大切にしてください。今後の皆さんのますますの飛躍と心身の健康を心から願い、最後に、私が校長に着任以来、皆さんに言い続けてきた「ありたい姿」のキーワードをお伝えして私の式辞といたします。
皆さん、これからも、大人度高く、温度差なく、感謝と笑いを忘れずに、共に生きていきましょう。

それでは、Good Luck and Good Bye!

おめでとう、そしてありがとう。

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